パイロットテストの結果

1998年6月 最初の学校でのパイロットテストの結果は、生徒のやる気の増加、協力度合いの増加、仲間と教師への尊敬のある行動、学校の仕事への焦点の当て方についての能力のアップといったものでした。ほとんどの学校が1997年春にパイロットテストを始めたのですが、数校は1995年から実験をしていました。それは、『より良い世界のための価値の分かち合い』リビング・バリュー:ガイドブック教室カリキュラムにあるアクティビティ、リビング・バリュー:ガイドブックを使っていたのです。

英国、オックスフォード、キドリントン小学校は、1995年にリビング・バリュー・アクティビティを教室で始めました。教頭であるネイル・ホークスさんは、驚異的な変化があったと報告しています。生徒たちは自分の行動についての責任を学び、仲間と教師に対する平和と尊敬に満ちた、協力的な関係を楽しみました。学校側は、生徒に価値について深く考えさせるようにし、価値を自分自身の行動や態度に反映させることを学んでもらうようにしたのです。学校集会が、価値を教えるとても強力な場になり、自己尊重を高め、情熱があふれていったのです。最近、学校は、その顕著な働きにより、道徳、社会、文化教育分野で大きく認められることになりました。両親たちもその変化に感謝し、価値教育のプロセスに、家庭での話し合いが簡単な宿題のような形で出されることで、加わっていきました。ホークスさんは、次のように記しています。学校全体が価値に焦点を当てると、その影響はとても大きくなっていき、生徒もよりポジティブになっていきました。

ピーター・ウイリアムさんは、中国、北京の中学校で数年間、年長の生徒たちと仕事をしてきました。ピーターさんが、同僚中国人のアオ ウェン ヤーさんに、どうして平和のビジュアル化が成功したと思うかを尋ねたところ、次のような答えが返ってきました。「それは、子供たちが自分たち自身で平和を見つける助けになるからです。そして、子供たちが幸せとリラックスを感じる助けになるからです。本当に幸せになりたい、より良い世界を作りたい、そして互いに親切でいたいということを動機づけるからです。」また、さらに続けて次のように言っています。「時々、子供たちは教室で言うことを聞かないことがあります。集中しないことがあります。でも、今では自分の課題にとても熱心です。それは、子供たちが興味を持っているからです。子供たちは学ぶことを動機づけられているのです。それは、価値を認められているからです。子供たちは、今、前よりも落ち着いています。わがままではなくなりました。学習の資質も基準も前よりも高くなりました。子供たちは、より自信を持って自分たちを表現するリスクを喜んで取るようになりました。」 ウィリアムさんは、次のように付け加えています。「このレッスンは確かに何かを達成しました。子供たちの態度はさらにポジティブになり、個人としてもグループとしてもよりよくまとまっています。中国科学アカデミーからやってきたオブザーバーは、子供たちの動機は著しく高まり、それは他の教科にも波及している、とコメントしています。

ジンバブエでは、ナターシャ・ナキューブさんが、ハラレにあるプリンス・エドワード男子高校の自身のクラスで、リビング・バリュー教材を使っています。ナターシャさんは、価値の思索アクティビティが規律の改善に役立ち、物語りと話し合いでは、生徒一人一人の意見を学ぶことができ、グループ・ワークでは結び付き、協力、忍耐、寛容性が生徒の中に育っていったと感じています。ナターシャさんは、次のように話しています。「規律は改善されました。たくさんの生徒が自信を持つようになり、自分と他の人の価値を認め、評価するようになったことに気が付きました。生徒たちは、以前よりも心を開くようになり、自分の意見を言うのに自信が出てきて、恐れることもなくなってきました。」 また、たくさんの生徒が時間通りに物事を行うようになり始めたということも記録しています。それは、生徒がより良心的になってきたからです。「生徒たちは自分たちを信じたのです。」 放課後残されたり、罰が課せられるかもしれないという恐れから以前は行っていたということも記しています。
ナターシャ・ナキュブさんが自分自身のティーチングでの変化について話していることは、とても興味深いものがあります。「私は、以前よりも生徒に対して忍耐強くなりました。私と生徒の関係が改善したと感じます。学校として罰を与えるよう校長に言わなくては、と駆り立てられることがなくなりました。(これはジンバブエではごく普通のことです。)どんな問題も子供たちと平和的に解決することができます。」

ボリビアのラパズにあるドイツ学校では3歳から18歳の生徒3000人がリビング・バリュー・アクティビティに取り組んでいます。セシリア・レビーさんは、この地はとても差別意識のある社会ですが、クラスでの差別意識が、著しく減り、結び付きが強くなったと記録しています。セシリアさんは、このように言っています。「生徒たちはあらゆることで -- 声も振る舞いも、他の人と相互交流するときに、よりポジティブになってきました。リビング・バリューに参画した教師たちは、生徒の態度の変化がどのようであったか、そしてそれが教室の雰囲気にどのように影響を与えたかについて記録しています。「120人の両親が、両親のための価値クラスに参加しました。両親たちは、このクラスがとてもためになったと感じていました。予期しなかった結果は、両親と教師の間により理解と協力が出てきたことです。」
教師たちからは、たくさんの報告が寄せられています。インド「子供たちは、前よりも愛らしくなりました。いろいろなものに興味を持ち、熱意も増してきました。」 ガイアナ 「何もしていないときは、他の人に話しかけることができるようになりました -- とても人に喜ばれるようにしてです。」 フランス、シャトークスの高校教師、サーラ・フェランドさんは、何人かの生徒の劇的な変化にとても驚きました。ドアをバタンと閉めるのではなく、最も乱暴だった生徒2名がとてもていねいな生徒になってしまったのです。「とっても驚きました。二人は成長して、とっても知的になったのがわかりましたから。」