誠実性は、考え、言葉、行動に
何の矛盾も食い違いもないことを意味します。
本来の自分に誠実であり、
仕事の目的に誠実であることで、
信頼を得、他の人の信頼を得ることができるのです。
誠実性とは、委託されているものを
決して誤用することがないということです。
誠実性は、“私より前にどうぞ、私の仲間である人より前にどうぞ”というはっきりした意識です。誠実性は、その人の役割、行動、人間関係において、何が正しく、適切であるかについての自覚です。誠実性がそこにあれば、心と生活に混乱と疑念をつくりだす偽善や人工物は存在しません。誠実性は人生を高潔なものにします。内面と外面それぞれの自己は、互いを映し出す鏡のようなものでもあるからです。
誠実性は、考えたことを話し、話したことを行うということです。考え、言葉、行動に何の矛盾も食い違いもないことを意味します。この一致が明確性をもたらし、他の人の模範になります。内面には、ある姿でいて、外側には別の姿を作ってしまえば、それがバリアーになり、ダメージを生じることになります。というのは、一人の本当の自分として誰かに近づくこともできなければ、他の人が近づいてくることもないからです。“私は誠実な人間だけれども、誰も私を理解しない”と考える人もいます。けれども、ここには本当の誠実性はありません。誠実性は、キズのないダイヤモンドのようにとてもはっきりしたものです。隠しておくことはできません。価値は、その人の行動の中に見て取ることができるものなのです。
内面が誠実であるかどうかを確認するには、知恵を提供することができるか、強さと安定性を持って支援ができるか、という試験を受ける必要があります。ポジティブな堅固さは精神的な資源のオアシスであり、私の自己尊重には確かな根拠があるのだという信頼を提供してくれます。これは、間違いのないことです。もし、自分の内面では、誰かに、何かに、あるいは、何かの考えに執着があれば、その執着が、現実と客観性への障害となり、行動は全体への利益を配慮して行われることがなくなります。内面の状態が、人の性質、感情、個性のネガティブな面に影響されてはいけません。利己的な動機、隠された事項、ネガティブな感情や習慣は、人生という鏡に映し出されるシミです。誠実性はシミ消しのように働きます。
自己成長のためには、自分の努力に対する清澄さと、自分の心に真実がなくてはなりません。清澄さとは、自己を汚し他の人に疑いを生じる意識や行動を見つめ直し、変えることです。心の誠実性と頭脳の誠実性がなくてはいけません。さもなければ、言い訳や漠然とした説明で他の人を欺く傾向、自己欺瞞になってしまうことでしょう。自分自身の鏡が澄んでいれば、感情、性質、動機、目的が綺麗に見え、信頼に値する姿で反映されるでしょう。『真実というボートは揺れることがあるかもしれませんが、決して沈むことはありません』という言葉があります。けれども、信頼に値する事柄によっても、ボートが沈むことがないことは保障されます。真実の勇気は、人を信頼するに値するものにします。
信頼され、信頼することは、汚れのない関係に必要な基礎と結合を提供します。また、誠実性を持ちながら互いの感情と動機を分かち合うことも必要です。誠実性と清澄さがあるとき、親密さもそこにはあります。このような原則なしには、一人一人ののレベルでも社会全体としても機能することはできません。
このような倫理と原理を個人的にも集団としても適用するということには、何が最もよく働き、何が最も意味があり有益であるかを見極めるということも含まれています。そのような継続的な適用プロセスと学習プロセスにより、誠実性が試験されます。何かが与えられた瞬間に、可能な限り真摯に、完全に遂行することで、試験にパスすることが可能になります。成功の体験があれば、誠実性と高潔さの度合いが強くなっていきます。強制により、命令的により、不注意で利己的な態度で仕事を行うということは、純粋な動機によるものとはまったく違います。本来の自分に誠実であり、仕事の目的に誠実であることで、信頼を得、他の人の信頼を得ることができるのです。周囲から支えられながら発展していくためには、動機の純粋性と努力の一貫性が求められます。
誠実な人は、最高の行動規範に従いたい、慈善的で普遍の人生の原理に従いたいと思うでしょう。そして、意思決定は、何が正しく何が間違っているかに基づいていることでしょう。ガイダンスになる基準と、世界と自分とを、微妙な結び付きを理解した上で、尊重する勇気を維持する人でしょう。誠実な人は、自然な世界との相互連結を大切に考えるでしょう。そして、人類がより良くよく存在していくためのものである資源や富を濫用したり、誤用したり、無駄にすることはないでしょう。誠実な人は、心、身体、富、才能、知識など自分の資源を、当然のことですが、おろそかにしないでしょう。誠実性とは、委託されているものを決して誤用することがないということです。資源を価値ある方法で - 人間的に、モラルに従い、精神的必要性のために使われるているかどうかへの関心がいつもあります。資源を良く使うことで、より良くありことができ、それは資源を何倍もの形で使うことになります。発展、進歩に深く関与している人は、平和で豊かで、より消費が少なく、より華麗な世界の建設のためのコンスタントな原理として誠実性を大切にします。